「水分を増やす」だけでは足りない?こどもの便秘解消のカギ

こんにちは、わかばです。

お子さんに便秘があり受診した際に、よく「水分をこまめに摂ってください」と言われると思うのですが、しっかり飲ませていても「あまり良くなった気がしないなあ」と感じたことはありませんか?

私も、外来で「水分は摂っているのに便秘が改善しない」という親御さんからの相談をよく受けます。なかなか改善しない理由は、子どもの便秘解消には水分以外の「ピース」も必要だからです。

この記事では、なぜ水分だけでは足りないのか、そして今日から家庭で取り組める具体的な解決策を専門医の知見に基づいて詳しく解説します。


今回のポイント

  • 水分は腸で吸収されるため、水分だけでは便を柔らかく保てない
  • 食物繊維は便のスポンジ!水分を保つのに必要な栄養素
  • 決まった時間にトイレに座ろう!足台を使って「和式」に近い姿勢を!

水分だけでは不十分な理由

「便秘なら水分を」とよく言われますが、実は飲んだ水分のほとんどは、大腸に届く前に小腸で吸収されてしまいます。

「便の中に水分を繋ぎ止めておく力」がなければ、便はすぐにカチカチになってしまうのです。

身体に必要な量の水分を摂ることはもちろん大切ですが、それ以上摂っても便秘への効果はありません。

食物繊維は「便のスポンジ」

便秘解消の最大の味方は「食物繊維」です。食物繊維には大きく分けて水溶性食物繊維不溶性食物繊維の2種類があり、これらをバランスよく摂ることが便秘解消の重要なポイントです。

  • 水溶性食物繊維:水を吸ってゲル状になり、便に水分が含まれた状態をキープする。また善玉菌のエサになり、短鎖脂肪酸を増やすことで腸の動きを活発化する。
     食品例:果物(リンゴ、キウイ、バナナ)、海藻類(ワカメ、昆布)、大麦、里芋、納豆
  • 不溶性食物繊維:水分を吸収し膨張することで便の体積を増やす。それにより腸の壁を刺激し動きを活発にする。
     食品例:きのこ類、根菜類(ゴボウ)、豆類、穀類(玄米)

どちらか片方ではなく、1日のうちに両方摂ることが大切です。

オイルと発酵食品の力

水分と繊維に加えて、「良質な油」も大切です。オリーブオイルなどの植物性油は、腸の中で潤滑油のような役割を果たし、便の通りをスムーズにしてくれます。

また、「お腹の中の細菌バランス(腸内フローラ)」を整えることにも寄与します。

  • 発酵食品: 納豆、味噌、ヨーグルトなど。
  • オリゴ糖: バナナや玉ねぎに含まれ、善玉菌を元気にします。

これらを組み合わせることで、お腹の中から自然な排便を促す環境が整います。

楽しく続ける食事メニュー

「便秘によい食材」を毎日考えて食べさせるのは大変ですよね。お子さんでも食べやすい「便秘に効くメニュー」のアイデアをご紹介します。

  • もち麦入りおにぎり: 白米にもち麦を混ぜるだけで、食物繊維が大幅にアップします。
  • 具だくさん味噌汁: わかめ(水溶性)と根菜(不溶性)など、好きな野菜をたくさん入れられます!
  • バナナきな粉ヨーグルト: オリゴ糖、食物繊維、善玉菌が一度に摂れるデザートです!

「これを食べれば明日出るよ!」と明るく声をかけ、食事の時間を楽しいものにすることが、心の緊張を解き、排便に繋がります。

「便の出やすい姿勢」で毎朝トイレに「座る」

朝食を食べた10-15分後を目安に、まずトイレに「座る」ことを心掛けましょう。
最初は便が出なくてもよいのです。座ることが大切です。
続けることで、頭とお腹が「ウンチの時間」を学んでくれます。

座る姿勢は「足をしっかり床につけて」「和式トイレ」や「ロダンのポーズ」のイメージです。
足台を使用し、膝の位置が腰よりも高くなる姿勢をとれるようサポートしてみましょう。
便の通り道が真っ直ぐになり、かつ筋肉が緩んで排便しやすくなります。

お腹を動かすマッサージ法

食事だけでなく、物理的にお腹を刺激することも「子ども 便秘 解消法」として有効です。特におすすめなのが、リラックスタイムに行う「の」の字マッサージです。

  1. お子さんを仰向けに寝かせます。
  2. おへそを中心に、時計回りに「の」の字を書くように優しくマッサージします。
  3. 1回3〜5分程度、お風呂上がりなどの体が温まっている時がベストです。

マッサージは腸の動き(ぜん動運動)を助けるだけでなく、親子のスキンシップによるリラックス効果で、排便を促す副交感神経を優位にしてくれます。

受診を検討するタイミング

家庭でのケアでも改善がみられない場合や、以下のようなサインがある場合は、無理をせずかかりつけ医に相談してください。

  • 腹痛や排便時の強い痛みがある
  • 便に血が混じっている(切れ痔の可能性があります)
  • 便を我慢する仕草(もじもじしたり、隅に隠れたりする)が見られる
  • お腹がパンパンに張って、食欲が落ちている

便秘が強い場合、便を柔らかくするお薬を使って「出す喜び」を先に経験させ、少しずつ生活習慣を整えていくアプローチをとることもあります。


まとめ

お子さんの便秘は、単なる「水分不足」だけが原因ではないことがほとんどです。

  1.  水分はこまめに摂ろう!
  2. 「食物繊維」や「良い油」を食事に摂り入れよう!
  3. 「決まった時間」に「排便しやすい姿勢で」トイレに座ろう!

この3つを組み合わせることで、排便状況が少しずつ変わり始めるはずです。焦らず、お子さんのペースに寄り添ってあげてくださいね。応援しています。


参考文献

  • 日本小児栄養消化器肝臓学会, 日本小児外科学会(編): 小児慢性便秘症診療ガイドライン 2025, 診断と治療社, 2025.
  • Tabbers MM, et al. : Evaluation and treatment of functional constipation in infants and children: evidence-based recommendations from ESPGHAN and NASPGHAN. J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2014; 58(2): 258-74.
  • 厚生労働省: 日本人の食事摂取基準(2020年版).

免責事項:当ブログの情報は一般的な情報提供を目的としたものであり、診療行為ではありません。医療に関する判断は、必ず専門の医療機関にご相談ください。


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